Behind the Story

12/27/2021
PUYO PUYO TETRIS
:: ぷよぷよテトリス
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  • あめみやたいよう
  • そのくらいは勝ってます、一生勝ってましたねオレが (笑)
  • // Chapter 1
  • 「『勉強が嫌い』でした。めっちゃくちゃ苦手です。文系理系とかいう、そういう概念がないっすね。オレは『テト系』なんで!(笑) 」

    子供の頃からゲーム好き。得意は「神」と呼ばれている「テトリス」だけではない。「ぷよぷよ」「ズーキーパー」においても全国屈指の腕前だ。小学生の頃は将棋も嗜んだ。一年でアマチュア4段。プロ棋士にも目をかけられていたという。

    これだけ聞くとインドア系のゲームマニアなのかと感じる向きもあるだろう。しかしそうではない。好きな科目は「体育」。兄の影響で中学高校はサッカー部に所属し「1500m走は4分後半」という学年屈指の好タイムだった。学生時代は「どの人とも絡んでた」という。
    「カードゲーム『遊戯王』やってたんで。そっちのメンツの人とも絡んでた。カードゲームも好きだし、ホントに色んな人と絡んでましたね。だから……オールラウンダー(笑)」

    「めっちゃ偏ってますね、オレ以上に偏った人いないんじゃないかな」
    それを自覚したのは中学生の時だ。人付き合いは「オールラウンダー」だったが、勉強だけはどうしても馴染めない存在だった。
    「人と何かちょっと……ただ突き抜けてゲームの才能はあったんで、元々。何かゲームを生かしたことで出来ればいいなって、ちょっと思ってました。それは言われてました親からも」
    両親は「お前の人生だから好きなように」と言ってくれた。彼らは今も変わらず彼を応援してくれている存在だ。
    「やっぱ、ありがたいです。それがあるからこそ何なら今があるんで」
  • // Chapter 2
  • あめみやが語る「今」とはテトリスプレイヤー随一の配信者として活躍している現状だ。
    「プロとして、配信者としての意識はむちゃくちゃ高いです」
    だからこの「獣道4」も受けた。「テトリス」以外のジャンルから配信者として注目してもらうきっかけ。「テトリス」が注目されれば「あめみやたいよう」に注目が集まる。逆もまた然りだ。「まあそこがぶっちゃけ言うと一番っすね」と語る。

    あめみやの配信者としての活動ははじめから上手く行っていた訳ではない。深夜のアルバイトとYouTubeの生配信で何とかやりくりしていた時期があった。「ゲームで食えたらいいな」と漠然と思いつつ試行錯誤の日々を過ごす。配信では辛辣なコメントを書き込まれることも少なくなかった。

    「よく言われてましたね、強いけど面白くねえよってコメント欄に。『確かに強いけど「もこう」の方が見てて面白えよ』ってむっちゃコメント欄にくるんですよ」
    あめみやが「YouTubeの師匠」と慕う「もこう」は有名なゲーム実況者であり「ぷよぷよ」の強豪プレイヤーである。「ぷよぷよ」プレイヤーでもあるあめみやが、彼とコラボ配信をすると「あめみやは面白くない」とコメントが書き込まれた。対戦で勝っていても文句を言われてしまうことにジレンマはなかったのだろうか。
    「いや、その路線の方が良いんだなあって思ったから全然割り切れましたね、自分は」
    ネガティブなコメントも参考にしつつ「徐々に徐々に頑張って」配信者として努力を続けた。

    「『テトリス99』が出た時にそこで視聴者の数字が伸びた。今までにつながった、みたいな。対戦の実力も含めた今までの経験が。そこの運はありましたね」
    「テトリス99」は99人参加の対戦ゲーム。その「1対1」の対戦とは異なるガチ過ぎない雰囲気が、大勢の視聴者が視聴する生配信という世界にピタリとはまった。「テトリス99」という素材によってあめみやのそれまでの地道な努力が結実したのだ。
  • // Chapter 3
  • 対戦相手のkazuと「連戦(*1)」を繰り返していた数年前、あめみやは無敗の絶対王者として君臨していた。その「連戦」で「50連敗はした」と対戦相手のkazuも語っている。
    *1 連戦:数十戦を先取するルールで行う長期戦。「ぷよぷよテトリス」において実力の目安とされる。

    「そのくらいは勝ってます、一生勝ってましたねオレが(笑)」
    見方によってはあめみやがkazuを育てたとも言えなくもない。彼のために動画を上げたこともあった。そのkazuが自分に土をつける存在になったことが「獣道4」での対決では少なからずプラスとなっているとあめみやは語る。
    「無敗ではなくなったからってのはデカイと思います。負け方が、っていうところだと思うんです。それでもう多分割り切れた、自分の中で」
    細かくは覚えていないものの「普通にいつも通りにやって、普通にやられた」。相手に相応の実力があるからこそ「普通に」負けた。

    自身の配信が軌道に乗るまでは焦る気持ちもあったという。強いあめみやだからこそ視聴してもらえているのではないか。負けるのは配信に悪い影響があるのではないか。疑心暗鬼に襲われて壁を感じたこともある。

    「その時はそうでした。今はないです。(最強じゃなくなったら何もないとは?)全然思ってないです」

    「その時代があって……(配信の数字が)伸びてない時期があった。だから今こういう考えになってるんですよ。たしかに最強だった時代でめっちゃ伸びてたらそれを貫くと思うんですけど」
    勝ったり負けたりする相手がいることで「無敗」という肩の荷が下りた。あめみやが土を付けられて以後の二人の戦績はややkazu優勢との声もネット上では少なくないが「まあ、上振れ下振れもありますしね、運要素はあるんで」と意に介さない。
    「本当どうでもいいんですよね。だからオレにとっては、全く。そんなこと言ってるのもあんま知らないけど。オレのコメント欄では分からない。ホントに配信してるだけなんでオレは」
    ネットでの腕自慢は何度も大会で返り討ちにしてきたと語る。雑音が気にならないのはそんな実績があるからなのだろう。
  • // Chapter 4
  • 「攻撃的なスタイルではあるんで誰よりも、っていう面では他を圧倒する攻撃力を誇ってるんで。自分はちょっと相手の土俵では戦わない、変化球を加える感じで、別のとこでマウントを取って行こうかな」
    対戦相手のkazuを「屈指の攻撃力の持ち主」と評価するあめみや。対する自身のスタイルは守備型。相手の出方を見ながら相手の攻め手を封じていく。対応型といっても良いだろう。

    そのようなあめみやの守備型・対応型のスタイルを支えているのが「操作精度」と「本番におけるメンタル」だ。それらの強みが「オフライン対戦」であることで大きくプラスに働くのだと語る。
    「テトリスってラグがあると本当に置きミスめっちゃするんで。まあ想像できると思うんですけど」
    通信ラグによる遅延はオンラインゲーム対戦の宿命だ。火力を送り込むkazuの攻撃型スタイルは比較的オンラインで影響を受けにくいスタイル。対してあめみやの守備型、対応型のスタイルはラグの影響が大きいのだと語る。一度の置きミスが敗北に直結しやすいのだ。オフラインであればラグの影響を受けずに高い操作精度を活かすことが出来る。

    「オンとオフは全然別ゲーなんで。そこをね、理解してもらわないと」
    kazuは学生という立場もありオフラインの大会経験が少ないだろう。その差は大きいと考えているようだ。
    「オンラインでいくら勝っても、たぶん評価される界隈少ないと思うんで」
    公式も含めて大会は基本的にオフライン。テトリスもその「オフラインで勝てて評価される」のだという。そこをkazuが「分かっていない」可能性がある。
    「オフラインのね、違いをね、まあ見していきたいですね。そこはまあやっぱり一番、まあそんな甘くないんで」
    オフラインの洗礼を自身が浴びた経験はないのだろうか?
    「ないですね、逆に食らわせました、自分が大会で」
    これまでもオンラインの腕自慢達を大会で返り討ちにしてきたあめみや。kazuに対しても大きな自信を持っているようだ。

    「お互いに置きミスしない限り、だいぶ試合って長引くんですよ。なんで長期戦の上で勝ちたいみたいなところありますね」
    あめみやにとって重要なもう一つの要素が時間である。
    「基本的にテトリスって10万点の試合とかって長い試合になるんですけど、まあ10万点超えの試合をけっこう連発したいですね、できれば」
    得点、いわゆるスコアは勝負には一切関係ない。しかし試合時間の目安にはなるという。kazuの攻撃的なスタイルは非常に高得点が出せる。その彼の得点が10万点を超えるくらい粘ること。テニスで例えるなら粘り強くボールを拾い続けてラリーに持ち込むのだ。オフライン対戦で置きミスが減ることで、そういった展開を作れる可能性は高い。そして長引けばあめみやの持つ強い「メンタル」が勝敗を左右する展開も増えるだろう。

    長期戦を敢行するだけの覚悟と実力があめみやにはある。
    「大会ってやっぱり緊張してミスしてしまうことが多いんですよ。なんですけど自分はそこに重きを置いてるんで」
    いかなる時でも「冷静に立ち回る」自信。そして勝とうが負けようが「実力は出せる」とあめみやは言い切る。これは簡単なことではない。

    「そう、ムズいんです。特に大会とか、そういう大きなところだとムズいんです」
    先だっての2021年11月27日に行われた「Red Bull 5G 2021」。「ぷよぷよテトリス」シリーズというタイトルにとって最も大きな大会と言って良いだろう。そこであめみやは見事勝利を飾った。2015年大会、2016年大会から3大会連続での無敗記録更新となる。
    その道中では危ないシーンもなかった訳ではない。予選において五本先取の試合で三本先取された時は「テトリス神」と呼ばれるあめみや敗退の可能性に会場は大いに盛り上がった。

    「声が聞こえてましたね、ガッツリ。あーー、アウェイだなあって(笑)」
    負けるかもしれないという緊張感はあった。そこをしっかり受け止めつつ立て続けに五本連取。その逆転劇は会場を大いに沸かせた。
    「本番力? そうです。テトリス界では一番大会出てると思うんで」
    大舞台での実戦経験。こういったことは一朝一夕で身に付くものではないだろう。この点についてあめみやの右に出る者はテトリス界には存在しないはずだ。
    オフライン、長期戦、メンタル。これらの相乗効果で勝利を手繰り寄せる。それがあめみやの戦略だ。
  • // Chapter 5
  • 「世界の人に知られるのはデカイっすね。めっちゃデカイ。英語はあんま分かんないですけど(笑)」
    世界中へ配信されるコンテンツ「獣道4」。そこに配信者としてあめみやは大きな魅力を感じているという。

    日々のスケジュールはバラバラだと語るあめみやが一つだけ決めているルーティーンがある。
    「毎日通してってYouTubeではすごい大事だと思ってるんで。とにかく更新するっていうことを一番重点的に置いてますね。……毎日です。休んだとしても動画は上げるんで実質(休みは)ないです」
    配信時間はきっちり22時スタート。あるeスポーツ選手が海外遠征した時にはあめみやの配信を観て日本時間を確認したこともあるそうだ。そのくらい「目安になってる」という。
    そして配信は休まない。先に参加した「「Red Bull 5G 2021」では日をまたいでの参加だったが「2日分の動画を用意」してイベントに赴いた。
    そういったプロ配信者としての意識が迷わず「獣道」参戦を決めた。「世界の人に知られるチャンス」が彼の最大のモチベーションなのだ。
    「自分のこと知らない人たくさんいると思うんで。そこで勝って知ってもらえたら嬉しいなあって」
    それを望むのは「最強のテトリスプレイヤーあめみや」と「配信者のあめみや」二人のあめみやたいようだ。彼らは一方が一方を支える補完関係にあり、もはや不可分な存在であると言っていい。

    「自分の中ではガチガチに調整して行こうと思ってます。普段の配信はどっか流しているところあるので。凄い久しぶりなので楽しみにしてますね」
    配信者としての自分の価値は強さだけではない。必要以上に強さや敗北に拘る必要がなくなった今だからこそ、思うままの全力で大勝負に挑むことが出来る。「世界」よ、くびきから放たれた「テトリス神」のガチに戦慄せよ―。

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